スマホやケータイで電話かけ放題と言えば、ドコモやau、ソフトバンクではカケホーダイプランやカケホ、スマ放題というプラン名でおなじみの24時間、何回でも何時間でも電話かけ放題プランを指すと思います。
カケホーダイライトプランやスーパーカケホ、スマ放題ライトといったプランもありますが、やはり基本的には24時間電話かけ放題プランになります。
格安SIMの電話かけ放題は時間制限あり
一方、格安SIMでは電話かけ放題というサービスは何時間でもかけ放題というわけにはいきません。提供している場合は、一回の通話時間が5分間までか10分間までなら通話料が無料になるというプラン内容です。
通話時間が5分以上(10分以上)になるとその超過分は30秒あたり20円の通話料がかかることになります。一回の通話が短い人ならこれでもいいかもしれませんが、意外と5分や10分なんてすぐに経ってしまいます。
例えば、どこかのメーカーや会社にお問い合わせの電話でもしてみると、大体すぐに担当者につながるわけではなく、大代表だったり、自動音声が最初の窓口になるので5分くらいはあっという間に過ぎてしまいます。
格安SIMで電話かけ放題がないのは誰のせい?
格安SIMはそれぞれ独自にスマホのデータ送受信ができるネットワーク網を作っているわけではなく、キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク)のネットワークを利用しています。特に格安SIMの大多数がドコモのネットワーク網でサービスを提供しています。
データ回線だけでなく電話回線についてももちろん、ドコモのシステムを利用しているわけで、各社がドコモと契約しているわけです。そうなると格安SIMで何時間、何回でもOKな電話かけ放題プランがないのはドコモが出し渋っているんじゃないのかという疑問が出てきますよね。
そういう疑問を持つのは他にも結構いるみたいで、ドコモの株主総会で株主から「格安SIMでキャリアのような定額通話プランがないのはドコモが(格安SIM側に)出していないからなんじゃないか」っていう趣旨の質問が出されたことがありました。
その質問に対するドコモ側は「今の状況でも格安SIM側で通話定額のプランは作れる」っていう回答をしていました。
イオンモバイルが電話かけ放題を提供
まあ、ドコモが本当に格安SIMに通話定額プランを販売していないのかどうかという真相は分かりませんが、2016年7月現在、格安SIMには真の意味での電話かけ放題のプランは提供されていないわけです。
(2017年1月時点ではもしもシークスが通話無制限の電話かけ放題プランを提供しています。ただし、連続して1日に50回以上通話した場合や同じ相手と連続して1時間以上電話をかけた場合などは一時的に利用が制限される場合があるので利用するのは不安になります。)
そんな中、イオンモバイルが電話かけ放題のプランをリリースしました。ただしIP電話でですけど。
IP電話っていうと知っているようで、詳しくは知らないなと気づきました。何となく「電話回線ではなく、ネット回線を使って電話をする仕組みかな?」っていう感じですね。じゃあ、イオンモバイルの電話かけ放題はどんなプランになるんでしょうか?
イオンの電話かけ放題って何?
イオンモバイルが提供する電話かけ放題プランは「050かけ放題」というプラン名です。特徴はその名前の通り、050から始まる11ケタの電話番号がもらえるのでそれを使って通話ができるプランになります。電話に使うのは通常の音声通話と違ってIP電話です。IP電話はインターネット回線を使用して通話をするサービスです。
だから、音声通話プランを契約していなくてもデータ通信プランさえできれば通話ができるというのがメリットですね。普段の使っているメインのスマホに、もう一台データ通信のみのスマホをサブ機として持っていてもそちらでも通話をするといった使い方ができます。
まあ、これまでのような090-XXXX-XXXXや080-XXXX-XXXXみたいな電話番号ではなく、050-XXXX-XXXXという電話番号が着信側のスマホのディスプレイに表示されるのでそういうことに抵抗のある人は不向きかもしれないですね。(知り合いであればアドレス帳に登録してしまえば050発信でも気にならないかもしれませんが)
イオンモバイルが「050かけ放題」の中で推しているのはとくにこの2点です。
国内通話し放題
国内通話であれば、24時間何度でも何時間でも電話し放題になります。時報の117やフリーダイヤルにかけることもできるみたいです。
何時間でもかけることができると言ってはいますが、連続で300分(5時間)通話したら強制的に通話が切られるみたいです。不正利用を防止するためだそうですけど。まあ、5時間も連続通話するならいったん休憩を入れた方がいいような気もしますね。
データ通信プランさえあれば通話可能
通常、スマホで電話をするには音声SIMと言われる通話をするための契約をしないといけません。この「050かけ放題」であれば、データ通信の契約だけで通話も可能ということになります。
「050かけ放題」を使用するには専用アプリをインストールする必要があります。ただ、IP電話なのでアプリがインストールされたスマホであればイオンモバイルと契約していない端末からでも同じ電話番号で利用できます。また、家や外出先のWi-Fi環境経由でも通話することが可能になります。Wi-Fi環境であれば、データ通信を消費することもありません。
気になるお値段とお得になるのかどうか
「050かけ放題」はデータ通信プランと組み合わせるオプションになります。そのため、最低月額料金は「データ 1GBプラン」480円に「050かけ放題」オプション料金1,500円を合わせて1,980円(税別)になります。これで電話し放題でネット接続もできてということでお得なイメージもありますが、実際はどうなんでしょうか。
IP電話はインターネット回線を使った通話になるので、当然データ通信を使います。このデータ使用量が以下の通りです。
●通話 1分間の通話 約250KB / 1時間の通話 15MB
●待ち受け 24時間起動 約150KB / 1か月起動 4.5MB
1回に15分間、30分間、1時間通話するとして、回数によってどれくらいデータ量が必要になるか調べてみました。
1回の通話が15分間の場合
回数 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 15 | 20 | 30 |
データ量(MB) | 3.75 | 7.5 | 11.3 | 15 | 18.8 | 22.5 | 26.3 | 30 | 33.8 | 37.5 | 56.3 | 75 | 113 |
1回の通話が30分間の場合
回数 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 15 | 20 | 30 |
データ使用量(MB) | 7.5 | 15 | 22.5 | 30 | 37.5 | 45 | 52.5 | 60 | 67.5 | 75 | 113 | 150 | 225 |
1回の通話が1時間の場合
回数 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 15 | 20 | 30 |
データ使用量(MB) | 15 | 30 | 45 | 60 | 75 | 90 | 105 | 120 | 135 | 150 | 225 | 300 | 450 |
まとめ
正直、予想していたよりもデータを使用しないんだなというのが感想ですね。毎日1時間の通話をしても月に450MBです。1GB(約1,000MB)の半分もいかないということです。家でもフレッツ光などのネット回線がある場合は、Wi-Fi接続で通話の際のデータも無料になるわけですから、もう少し抑えられると思います。
電話し放題で、ネットにもつなげて1,980円ですむなら選択肢の一つとして考えてもいいかもしれませんね。