イオンモバイルがIP電話で通話し放題になるオプションサービス「050かけ放題」の提供をスタートしました。高速データ通信が1GBつきで最安値が1,980円と意外と割安なのかなと思います。
でも、かけ放題とまではいかなくても、通話した分だけ料金が発生するIP電話のアプリもあるわけです。IP電話アプリはお得になるのかどうか調べてみました。
IP電話ってそもそも何?
通常、音声通話は電話回線を使います。一方、IP電話はインターネット回線を使った音声通話になります。そのため、スマホだったら音声通話なしでデータ回線のみの契約でも音声通話ができるようになります。イメージとしてはLINEの無料通話やFacebookでの音声メッセージのやり取りに近いのかなと思います。
もちろん、インターネット回線を使うので別途、データ通信料(パケット通信料)が必要になるというところに注意が必要です。
IP電話アプリを比較してみた
IP電話アプリにも色々な種類がありますが、さっきGooogle Play で「IP電話アプリ」と入力して検索した結果の内、上位2つのアプリとCMでたまに見かけるNTTコミュニケーションズの「050 plus」を比較してみました。
この内、二種類が月額課金方式のアプリで残りのひとつが無料アプリになります。
比較したアプリ3種
・LaLa Call(月額 100円)
・050 plus(月額 300円)
・IP-Phone SMART(月額 無料)
主な料金はこんな感じになります。
サービス名 | 月額 | 国内の固定電話 (3分) |
国内の携帯電話 (1分) |
国内のPHS (1分) |
国際電話 (1分)アメリカ |
LaLa Call | 100円 | 8円 | 18円 | 20円 | 6円 |
050 plus | 300円 | 8円 | 16円 | 10円 | 9円 |
IP-Phone SMART | 0円 | 48円 | 16円 | 16円 | 16円 |
※金額は税別
上記のIP電話から国内の携帯電話宛で1分間あたり16~18円。国内の固定電話宛だったら、3分間で8~48円です。楽天でんわなどの電話回線を使って、通話料が安くなる通話アプリがありますが、その場合だと30秒毎に10円(1分間あたり20円)かかります。
IP電話で電話をかけた方が安くつくという印象ですね。そして、サービスごとに細かく違うもんだなとも思います。ちなみにIP-Phone SMARTは、ホームページでは一見すると安く見えますが、あくまでも30秒で●円という記載なので固定電話宛だと意外と高くつく印象です。無料アプリですからそこらへんは仕方ないのかもしれません。
電話をかけるのがほとんどが国内の固定電話宛や携帯電話宛なのであれば、月額100円の「LaLa Call」がバランス的にいいかもしれません。ただ、あくまでもインターネット回線を使うので2点気になることがります。
「通話料とは別にデータ通信料が必要になること」と「音声通話に比べて通話エリアによって品質が低下しやすくなる傾向があること」です。
IP電話はそんなにデータを使わない
IP電話が通話に使うデータ量は大体以下のような感じになります。
1分間通話した場合 | 1時間通話した場合 | |
---|---|---|
通話で使用するデータ量 | 約250KB | 約15MB |
24時間起動 | 1ヶ月起動 | |
---|---|---|
待ち受け時に 使用するデータ量 |
約150KB | 約4.5MB |
音声通話だからといって、IP電話利用時には思ったよりデータを消費しないものだということが分かります。このデータ使用量はアプリによっても変わってくると思うのであくまでも参考程度にしてください。
この計算を元にすると、15分間、30分間、1時間の通話を毎日1回、30日間(約一ヶ月)した場合はこんなデータ使用量になります。
毎日一回15分間の通話を 一ヶ月間行った場合 |
毎日一回30分間の通話を 一ヶ月間行った場合 |
毎日一回1時間の通話を 一ヶ月間行った場合 |
---|---|---|
約113MB | 約225MB | 約450MB |
IP電話で毎日一回、1時間の音声通話をしても500MBいかない計算になります。契約しているデータ量が500MBであればキツいかもしれませんが、1GB以上あれば十分使えそうです。
ネットで検索してみると、低速で常時接続するプランを使ってIP電話を利用している人も結構目にします。データ消費もそんなに多くないから低速でも十分実用に耐えるレベルだという感想ですね。そうなると残りのデータ量を気にしなくてよくなるから、精神的にも楽になります。
エリアもそんなに気にしなくていいかな
電話回線の音声通話であれば「ここは電波が入るかな?」という心配をほとんどしなくなりました。地下鉄やデパ地下、登山中でも利用できる場所があるくらいですから、よっぽどの山中でないと不安に思うことはありません。
でも、IP電話はデータ回線を使います。データ回線の場合はネット接続できなくなったりとまだ少し不安に感じることがあります。格安SIMを利用する場合、ほとんどがドコモの回線を使用し、auがそれに続きます。ソフトバンクの回線を利用した格安SIMも少しですがあります。
キャリア各社のサービスエリアのリンクを掲載しておきます。
auの4G LTE、3Gエリア、WiMAX 2+サービスエリア
ソフトバンクのHybrid 4G LTE、4G LTE、4G、3G、ULTRA SPEEDサービスエリア
表記上は各社ともに人口エリアのほとんどの地域をカバーしていることが分かります。日常使う分にはIP電話でも不便に感じることは少ないかもしれませんね。
どれぐらいかけたらお得になるの?
IP電話アプリとイオンモバイルの「050かけ放題」はどちらがお得だろうかと考えてみます。
IP電話アプリも有料アプリと無料アプリがあり、「050かけ放題」はオプション価格が1,500円(最安値の1GBのデータプランが480円なので合計で1,980円)です。
全く電話をかけないのであれば無料アプリですませるのがお得になります。でも、IP電話で何分以上通話したら「050かけ放題」の方がIP電話アプリに比べてお得になるんだろうかと調べてみました。
以下の表は各IP電話アプリで1,500円分の通話料がかかる時間を「固定電話宛の通話」と「携帯電話宛の通話」それぞれで調べたものです。
サービス名 | LaLa Call | 050 plus | IP-Phone SMART |
固定電話宛にのみ 通話した場合 |
525分(8時間45分) | 450分(7時間30分) | 93分(1時間33分) |
携帯電話宛にのみ 通話した場合 |
77分(1時間17分) | 75分(1時間15分) | 93分(1時間33分) |
※LaLa Callと050 plusは有料アプリなので月額使用料分も加味してあるので、携帯電話宛の通話料が同じはずの050 plusとIP-Phone SMARTでは1,500円分の通話時間が違っています。
最近の電話をかける用途はビジネスで使っている場合ならともかく、個人が使っている場合は携帯電話宛の通話がほとんどではないかと思います。だとしたら、携帯電話宛に電話をかける通話時間が毎月78分(1時間18分)以上なら「050かけ放題」の方がお得になります。
まとめ
表にしてみるとIP電話の固定電話宛の通話料の安さが際立ちます。050 plusだと3分間あたり8円ですから、固定電話からかけた場合と違いないくらいです。
実際問題として一ヶ月に8時間くらい固定電話にかけるかどうかは別ですが、ポイントは電話の頻度と自分が主にどこへ電話をかけるかによります。
あまり電話をかけない(月に1時間以内)場合 ⇒ 無料IP電話アプリを使用して節約主に固定電話宛にかける場合 ⇒ 有料IP電話アプリを使用して節約
主に携帯電話宛にかける(月に1時間以上)場合 ⇒ 050かけ放題で通話料を固定して節約する
ただし、IP電話からの通話を嫌がる相手もいます。例えばスマホを利用しているとナンバーディスプレイ表示でかけてきた相手の電話番号が表示されます。
その番号が(IP電話の番号である)050-XXXX-XXXXという表示だと、電話にでるのに少し抵抗感があります。知り合いであれば電話帳登録してしまえばいいんですけどね。
実用的にIP電話で通話するのはまだまだ固定電話宛なのかなという印象ですね。でも、節約するのには捨てがたいものがあります。悩みどころですね。